8月は多くの方々が故郷や旅行、プチレジャーといった思い思いの活動をされていることでしょう。
行動制限のない大型連休は、たくさんの方々の想いを持って北や西、南と思い出を作りに出発されているようです。

JTBが旅行動向を公表したものでは、今年の国内旅行者数は昨年比175.9%増加の7050万人が1泊以上の国内旅行を計画しているとしています。
11日の祝日には、鉄道や航空は多くの方々がそれぞれの地域へ移動していきます。
首都圏から西側地域へ移動する東海道新幹線は、11日の日中便から多くの のぞみ号が満席に近い状況で出発しており自由席は100%を超える乗車率になっていると報じています。

また、北へと向かう東北新幹線や北陸新幹線も事前の予約も好調で、やはり自由席は100%を超える乗車率になっているといいます。
航空機も通常の就航率(通常の運行率)が95ではありますが、11日は最大24万人の予約があり、その影響もあり空港は混雑している状況です。

旅行先も長距離を選択する方も多くなっているといいます。
首都圏在住の方が選ぶ多い訪問地域は、関東エリア、甲信越、九州で多くなっているといいます。
近畿地方にお住まいの方では、近畿圏内、中国地方、九州の順で、北海道の方は道内、関東、東海地方に訪れたいという傾向があります。
宿泊する施設は、ホテルになる方が前年より2割増加した6割の方、次いで2割程度の旅館への宿泊、それ以外の施設への宿泊が5%程度となっています。
次いで、実家や親族の家という方が多い傾向がありますので、宿泊を伴う旅行はホテルを選ぶ傾向が強まっています。

実家等を選ぶ方は多くは、故郷への帰省を意識されているのでしょう。

旅行費用を1名あたり2万円未満としている方が全体の2割、差がなく3万円未満としている方が1.8割、次いで5万円未満が1.7割、10万円未満が1割となります。
宿泊日数も1泊2日が全体の35.%、2泊3日が33%、3泊4日が18%と続き、1泊又は2泊を予定している方が多い状況です。
旅行形態もご家族連れが全体の60%でご夫婦のみがそのうちの24%、お子様連れが20%と複数で移動する傾向が多くっているようです。
次いで、おひとり様が全体の18%、友人等での旅行が14%と続きます。

さて、このようにお盆期間に旅行や帰省される方々が多くいるということは畜産物への消費期待が高まります。

牛肉は、お盆前に需要の手当てが進みました。
交雑種等は買いが入る展開です。但し和牛は少し弱い展開で、上級よりもそれ以外に買い付けが強まる傾向でした。
特に飲食店向けは、新型コロナウイルスの影響も心配される中でも、キャンセルはあるが昨年よりも深刻度は高くないといいます。
ですが、感染力が強いことでスタッフに感染や濃厚接触者となることで、店舗運営が不安定化しているという話もあり、一部卸では受注が一時的に停止されたり、納期延期があるとも聞きます。
今年は帰省する方が増えていることから、牛肉の登板が多くなっているとも言います。ステーキ・すき焼きといった部位も店頭に並べて訴求したいという流通店も多き聞かれます。

豚肉は、家庭消費への期待が高まり、お盆前には各地域の相場は上昇しています。7月下旬は豚熱による供給不安が囁かれましたが市場への影響はありませんでした。
ですが、8月に入り帰省による需要の高まりを期待した買いが進んでおり、相場は安定した状況になります。
この先も、安定した需要が見込まれることから安くなったところで買いを入れて保管するという卸もあるようで、生産者の皆さんにとっては安心した農場運営ができることでしょう。

鶏卵は、この夏猛暑日が多くみられていて本来は消費減退になるのですが、相場は堅調です。
例年の下落相場ではなく、8月は持ち合いが続きます。
理由に、全国の餌付け動向(1から5月)が前年比98.5%(鳥インフルによる影響が強い時期と比べたとき)と少ないことで供給側の減少が要因とも言います。
参考までに前年ではなく一昨年(鳥インフルが深刻でない年)と比較すると93.5%とさらに少ないことが分かります。
ですが、地域や農場によっては増羽に転じているところもありますので農場の体力差がこの先の餌付け傾向へ影響を与えることも予想されます。

このように人が動くことで、畜産物も安定して動いてくれます。
動くことは、私たち生産者にとっても良いことです。

配合飼料の高騰や光熱費の上昇とあらゆる物が高くなっています。
原油(ガソリン)はだいぶ落ち着いていますが、それでも安いといえる時期ではありません。
農場も動くとコストも増えるのは皆さんご承知のことです。
ですが、安定した生産持続は安定した収入に直結していきます。
このお盆は多くの人が旅行へ移動したり、故郷に集まり、畜産物も集まり思い出を飾る名わき役になると思います。

今日からお盆。
ご先祖様がお帰りになり故郷は、思い出話や子や孫たちのにぎやかな時間が全国各地で見られることでしょう。
その話題のそばには皆さんの畜産物があり、旅行先ではホテル等の食事にも登場しているはずです。
地域の飲食店にも畜産物があり、様々なシーンで思い出作りに貢献していると思います。

まだまだご苦労が続く農場運営。
ですが今日はそのご苦労の中でも、お盆という時の中で笑顔があり、楽しんでいる多くの消費者の方々を思いながら、生産活動をしていきましょう。
きっと、明日(未来)は、明るい希望がやってくるはずです。