昨年より続いている鳥インフルエンザですが、現在被害羽数の半分以上が生産第2位の千葉県で集中している状況になりました。

被害羽数は460万羽に及び県内生産量の4割に到達する状況で深刻化しています。

被害は北東部の養鶏地域に集中し始めており、本日11日も匝瑳市で2農場35万羽が殺処分されます。

すでに鳥インフルエンザウイルスの濃度が周辺高くなっている可能性もあり、農場での防疫対策に限界を迎えている可能性もあります。

千葉県は12日より1か月間、旭市6例目地域で発生した地域を中心とした移動制限区域内の主要道路を次亜塩素酸ナトリウムを使用して路面散水消毒を行うことのしています。

また、消毒ポイントも今回発生により追加され旭市の香取市寄りの場所に新たに設置され、広い範囲に消毒をする場所を設け侵入を防止する対策を講じています。

匝瑳市や旭市、多古町、香取市、東庄町、銚子市は養鶏農場が大小まとまっている地域でもあり、養鶏団地程の近距離密集地域ではないものの直線で数百メートル、1キロ範囲には鶏舎が存在するような状況でもあり、匝瑳市のような狭い範囲での新規発生を警戒しています。

この北東部は、市原市、いすみ市等県南部に並び生産が盛んな地域で県はこれ以上の発生を阻止するため出来るだけの対策を講じているように見え、更なる被害がないことを願うばかりです。

近年まれに見る深刻化した状況で、養鶏ブログにも書きましたが、殺処分後の再稼働には時間がかかるため生産の減少からの回復は長くなる傾向もあります。

また、農場の体力次第では発生と同時に廃業する可能性もあり、そうでなくても回復過程で販路が戻らず結果廃業するということも現実あることから農場への支援が必要になります。

鶏卵は一時的にせよ減少しますが、養鶏は全国に星の数ほどの養鶏場があり品不足が生じることはないでしょう。
それは被害がない県や地域からの融通もあり消費者への影響は少ないからです。

一昨年は養豚の皆さんがとてもご苦労された豚熱発生がありました。
現在も散発的ですがまだ安心ではないですが、県によっては飼養頭数の半数が殺処分されたところもありそこからの再開に現在もご苦労されている状況も聞きます。

被害からの回復は本当に大変なことです。
販売先は欠品することができないことで他の商品を仕入れることが通常で、鶏卵はこのようなことも織り込み、すでに1店舗で複数の地域産の鶏卵を扱うことが常になりました。

これにより、発生農場の鶏卵を必ずしも必要としないリスク回避ができていることから、再開後の再入荷がどのようになるのかとても関心があります。

回復には餌付けるための費用と餌代、成鶏として生産段階までの未収入状態が続くという大変さがあります。
これは、豚熱での再開も同じでした。子豚の費用と餌代、成長し品質価値ができるまで未収入となります。

また、採卵鶏の入手も数が多いほど難易度が高く、揃えきれないということもあり生産量が発生前まで回復するには長い期間がかかります。

これ以外にも、この数年養鶏は低卵価に我慢する時期でした。
色々の要因はありますが、餌付け羽数が増えたことで生産量が増えて需要とのバランスが崩れたことが要因とされています。

訪日観光やオリンピック需要等を意識した餌付けが要因とも言われ、確かに昨年、一昨年はその前の年から右肩下がりとなっています。
これにより、インフルエンザにより経営体力を奪われ場合により廃業ということもありえます。

今回大規模農場からの発生もあり、中小零細に限らず広い範囲で経済的打撃を受けることになります。

ウイルスを広い範囲に広げないという観点から、殺処分し封じ込めをする手法ですが、本年は野鳥からの感染要因が例年以上に強く発生場所や周辺はウイルス濃度が高いとされ、それだけでは防ぐことが難しいと言われます。

しかし、農場での防疫対策は続けることで少しでも感染する機会を少なくしたいという思いを込めてもう数カ月の季節を過ごしていくことで自農場や周辺への安心を与えることができます。

まだ油断できない時期ですが、皆さんの頑張りが必ず良い結果になるはずです。
もうしばらく頑張ってまいりましょう。