茨城県は19日、城里町で発生した採卵鶏農場に対し家畜伝染病予防法により指導を行ったと発表しました。
家畜伝染病予防法のうち飼養衛生管理基準がすべて順守されていることを点検し、県の立ち入り検査を受けて確認するよう指導されました。
家畜を再導入するまでに検査を受ける必要があるとしており、その方法を構築しない限り農場の再稼働ができないということです。
家畜を再導入するまでに検査を受ける必要があるとしており、その方法を構築しない限り農場の再稼働ができないということです。
家畜を飼養されている方全てに対して行うべき基準ですが、今回鳥インフルエンザにより疫学調査から従事者や飼養衛生管理について確認した結果から、
不備の点、飼養衛生管理基準を満たしていないことについて今回指導を行うこととなったものです。
それによれば基準の不遵守は2件
「第26項・ねずみ及び害虫の駆除」と「第21項・家きん舎ごとの専用の靴の設置及び使用」です。
このうち、第21項については鶏舎奥側通用口からの出入りの際、長靴の交換をせず(踏み込み消毒のみで鶏舎用でないもの)出入りしていたこと。
としています。
この奥側とは、主に死亡鶏の搬出や除糞ベルトのスイッチを入れるための出入り口で便宜的・構造的に使用する場所と推察できます。
多くの農場は都度長靴を履き替えることを想定した鶏舎動線を想定していません。
出入りは入場用やこのような作業用・避難用出入り口として図面に落とし込み建築をされることが一般的です。
出入りは入場用やこのような作業用・避難用出入り口として図面に落とし込み建築をされることが一般的です。
実際鶏舎専用の長靴の使用という意識は恐らくここ数年のことではないでしょうか。
それまでは、農場敷地内は鶏舎用も兼用するという流れが一般的で、鶏舎に入る際に踏み込み消毒し殺菌するから良い。という考えがありました。
育すうや孵化場のように特に注意しなければならないような施設を除き成鶏舎での意識はそこまで高くなかったというのが本音でしょう。
例えば、死亡鶏の処理設備が鶏舎の奥側というのは一般的です。
誰もが来客や見学者の目に留まるところに設置はしませんし、主たる入り口周辺には飼料タンクがあり設置しないというところもありましょう。
誰もが来客や見学者の目に留まるところに設置はしませんし、主たる入り口周辺には飼料タンクがあり設置しないというところもありましょう。
それは、除糞時のたい肥舎も同じです。
そうなると多くの場合、メイン出入り口での長靴の履き替えは行いますが、他人の目につきにくく、一時的の立ち入り(回収やスイッチ操作)であれば踏み込み消毒で代用というところは意外と多いと思います。
それが油断となり従事者の意識を下げていきます。
数秒の滞在であり、3秒ルールではないですが「まあいいだろう」となる傾向があります。
これがあらゆるところで広がり、そのうち「少しならいいだろう」に変わり、そのうち「天気が悪いからいいだろう」と拡大解釈が進みます。
そして、他の従事者にも広がり形だけの作業となり、本来の目的を忘れるという流れになります。
これがあらゆるところで広がり、そのうち「少しならいいだろう」に変わり、そのうち「天気が悪いからいいだろう」と拡大解釈が進みます。
そして、他の従事者にも広がり形だけの作業となり、本来の目的を忘れるという流れになります。
家きん舎専用の長靴というのは、意味がないという方もいます。
しかし、外から履き替えることでリスクを遮断できることがまずメリットの1つです。
特にたい肥舎からの長靴はどのように感じますか。
特にたい肥舎からの長靴はどのように感じますか。
自宅に土足のまま室内に入る方も多くはないと思いますが、なぜ皆さんの家は外靴から履き替えるのでしょうか。
また、踏み込み消毒の効果は薬剤、季節、水温・水質により効能が変わります。
薬剤=万能な殺菌ではありません。
しかし踏み込むことで安心感を得るためそこまでの意識を持つことができないということもあります。
しかし踏み込むことで安心感を得るためそこまでの意識を持つことができないということもあります。
冷蔵庫は昔魔法の箱といわれました。
それは腐敗しないからというものですが、腐敗しないと信じる方は今の時代ないでしょう。
それは腐敗しないからというものですが、腐敗しないと信じる方は今の時代ないでしょう。
であれば、リスク承知で侵入されるより、履き替えた方が結果安心を与えることでしょう。
踏み込み消毒しか していないといわれるより、毎回鶏舎用長靴に履き替えていたと言う方が間違いがありません。
しかし、構造的に後ろが作業口である場合常時施錠するというのも不可能です。
それは用があるのに出入りしないという無理があるからです。
それは用があるのに出入りしないという無理があるからです。
実際そのような農場も見ますが、除糞時の操作は踏み込み消毒のみの後ろドアからの出入りというところでありあまり意味を持ちません。
ですが、農場管理者はよくやったと満足しており本来の目的を見失っています。
無理なルールは意味を持ちません。
それは特例が出来それが標準になるからです。
今回のように、出入りをやめれば解決できると考える方もいると思います。
しかし、それだけでは特例を作り「作業時のみ開錠し履き替えて行う」とするでしょうが、先の通り目につきにくい場所は多くは履き替える手間を意識し、踏み込み消毒に頼る疫学調査での指摘と何らかわりません。
ですから、構造から見直ししなければ無理が生じます。
ある農場は外から操作できる簡易スイッチを作り除糞をしています。
機械の回路を変更し、簡易スイッチで動作入切をし入場をしない構造にしています。
これは堆肥舎へ立ち入りしているために、鶏舎への立ち入りをなくしているためです。
除糞時間を従来より長めに設定し除糞による事故を防ぐ対策を講じてもいます。
多くは、除糞から利益が発生しないため短時間で完結するところが多いと思います。
しかし、よく見ますと短時間であるがゆえ安全な対応時間がなく、結果重大な事故・除糞ベルトの破損や折れこみにより除糞の中止や後日修理のための作業変更と修理部品代の請求と損失もそれなりに大きいと感じます。
大事なのは、重大な事故を防ぐ対策をどのように盛り込むのかが大事で、時間ではありません。
時間は大事ですが、無駄にしない時間がとても大事です。
仕事はただ早ければ良いという時代ではありません。
機器類をフル活用する鶏舎が主流で、作業時間の効率化を目指しているわけで時間を稼ぐために犠牲にすること自体が危険です。
機器類をフル活用する鶏舎が主流で、作業時間の効率化を目指しているわけで時間を稼ぐために犠牲にすること自体が危険です。
多くは、時間短縮が美徳と言いますが、本当に大事なのは短くするためにどのような対策が入れ込めるのかであるということに気づかないことが原因と見えます。
今日故障がなくても、年に数回部品交換やベルトの張替えではコストが逆に高くなります。
ベルトも安くはありませんし、従事者で張替えできるほど時間や暇はないでしょう。
作業だけでも数時間、半日場合により1日程度かかるような大事故です。
従業員に1日その仕事をさせるような余裕があれば良いでしょうが、人件費から見てそのような采配が良いのかわかりません。
自農場でできなければ、機材を持参した職人が1名数万円×複数名の作業賃も別にかかり、廃材処理費もかさみます。
ベルトも安くはありませんし、従事者で張替えできるほど時間や暇はないでしょう。
作業だけでも数時間、半日場合により1日程度かかるような大事故です。
従業員に1日その仕事をさせるような余裕があれば良いでしょうが、人件費から見てそのような采配が良いのかわかりません。
自農場でできなければ、機材を持参した職人が1名数万円×複数名の作業賃も別にかかり、廃材処理費もかさみます。
どちらが結果良いのかは一目瞭然ではないでしょうか。
第21項では、ねずみ駆除よりも野生動物の侵入機会を放置していることを問題視しています。
多くは、ねずみを駆除するために防鼠処置をしていると思います。
しかし、よく農場を観察しますと壁が壊れ、そこを寝床にしているねずみや、集卵カバー、除糞ベルトカバー等猫やその他動物が侵入できる状況になっているところも見ます。
変わった農場では、金網でカバーを巻いて侵入できないようにしていますが、修繕するために金網を外しそのままになっている残念な農場も見ますし、今回のようにカバーがないことで侵入しやすい環境にしているところもあります。
どちらも、壊れたものをすぐに対処すれば解決できたのでしょうが、時間がない、人がいない、部材がないと「ない」ことを優先し、どうしようと考えることが遅れたことで、忘れた、景色に同化し壊れているが問題でない等意識が薄れたことでその結果そのまま放置となるということもあります。
大事なのは、野生動物の侵入が大きな損失になるという意識を持つことがとても重要なのです。
近年は外国の方が管理をするようになりました。
よく気付き報告する方もいますが、業務範囲以外は気づけないという方もいます。
よく気付き報告する方もいますが、業務範囲以外は気づけないという方もいます。
また報告しても受けての日本人が関心が薄いことで結果放置してインフルエンザ発生し調査を受けて指摘されるという目も当てられないことにもなりかねません。
何回かブログで取り上げていますが、人への投資はとても大事なことです。
昔のように見て覚えて、後輩に教えるような時代は去りました。
そもそも関心を持って見て、興味を持って覚えて、教えるほどに理解できるような人材を育成できなくなっていると感じます。
それは、単純労働者だから必要がないしそんな経費は払えないという点があります。
だから多くは、指示を受けることができればよく、言うことを聞ければ良いが良い従業員と解釈してしまうのでしょう。
だから多くは、指示を受けることができればよく、言うことを聞ければ良いが良い従業員と解釈してしまうのでしょう。
確かに単純労働ではありましょうが、それを管理できる人材も残念ながら単純労働者だったという事実までたどり着ける方はそう多くはありません。
それが、今日まで鳥インフルエンザのような重大事故発生はなく、器具の破損は多いがそれだけで済んでいたが、ある日重大事故が発生するということも十分にあります。
鳥インフルエンザ発生件数は本年51例(関連農場含め75農場)で全国の養鶏場からすれば微々たる数かもしれませんから、なる確率は非常に低いと感じることでしょう。
しかし、近年は同じ地域で連続発生し、再発が途切れないという状況です。
同じ地域で数件発生だけでも同じ地域に属していたら、それは確率が低いとは言えないぐらいのことです。
同じ地域で数件発生だけでも同じ地域に属していたら、それは確率が低いとは言えないぐらいのことです。
ですから、人への意識を変えていく、持続させるということはとても大事なことなのです。
近年は、外来者への対応はとても厳しくなりました。
それは伺う者からしてもとても良いことと思っています。
しかし、内部の従事者が十分な対応でなければ結局がわきが甘いことで侵入を許すということもあります。
今年の鳥インフルエンザ発生では、日常防疫対策が厳しいところでも散発して発生し被害羽数が甚大でした。
疫学調査を見る限り、従事者の対応やねずみ等野生動物対応について指摘を受けているところを見る限り、農場内がシステムが先行しすぎて人が後れを取っているようにも見えます。
鶏舎システムが発生源になることはありません。
確かに鶏舎用長靴の使用がないことだけで発症するとは考えられませんし、野鳥からの排出が例年以上に多いという指摘もありその可能性が高いとも思えます。
確かに鶏舎用長靴の使用がないことだけで発症するとは考えられませんし、野鳥からの排出が例年以上に多いという指摘もありその可能性が高いとも思えます。
ネズミの足跡があることでそれが発症させたという根拠も十分ではありません。
大事なのは、侵入させないための対策を講じることであり、それが人の意識の持ち方ひとつで大きく変わるということです。
私どものような外部者は出来る限りの準備をしてご迷惑をおかけしないという意識で伺います。
しかし、従事者の方の意識が高くない場合、侵入させないという考えまでたどり着けません。
一部は、とても手間な作業をしている見栄えのためのアイデアを出す方もいることでしょう。
しかしながら、無理がある方策は今日明日来週までは何とかできるでしょうが、そのうち「どうせ見えない」、「見られない」、「時間がない」という意識の低下により忘れられ、結果準備した費用や器材だけが負債として残るだけになります。
考えることはとても大事です。考えなく見栄え、カッコつけるためだけではとても物の急所を捕らえることはできないでしょう。
そのために教育が必要なのです。
最近感じている、インフルエンザによる被害が過去に比べ甚大というのは、菌の強力化もありますが人の防疫意識の見直しも根底にあるように思えます。
これから、人材を確保するだけでもとても苦労される時代になり単純労働者だからでは解決できない時代が今回の件から見えたようにも感じます。
まもなく3月。中旬ごろまでは鳥インフルエンザ発生という報道も聞きます。
まだ油断できない時期ですがこの問題を契機に防疫意識とは何かそれはどうすればよい方向にむけることができるのか。
考える時期なのかもしれません。