nogutikusanの畜産ブログ のぐ畜産認証支援部公式ブログ

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2021年01月

昨年2020年は畜種により業績の目標と実績に大きな乖離があったと思います。

また外国人技能実習生の来日延期等もあり、慢性的な人手不足に陥るところもありましょう。

世間では、人員削減等で固定費を引き下げる動きが広がりを見せており、経済そのものが縮小していく様相に見えます。
対岸の火事として見るのか、それは人それぞれですが少なくとも広い範囲の職業にそれが降りかかる可能性もあります。

物を買うのは消費者であり企業ではありません。
企業は消費者に対して加工等付加価値をつけて最終的に売りますから、結局は個人消費に依存します。

しかし、世界的不況とは言いませんが、経済回復が見える国や足踏みしている国、低迷し困惑している国等様々な状況です。
日本では、景気は下げ止まりしていると認識されていますがこのような情勢で下げ止まるようには見えません。

消費者動向にも変化が見られ、家計との相談により商品選択が見られ、高級・高価格商品を簡単に手に取る方はそう多くはないように見えます。

ですが報道のように巣ごもりだから高額商品○○が売れているとか、
お家で高級食材△△が大好評等、明らかにタイアップ企画が散見され、消費行動と報道の中にもプチ広告が混在しているような状況です。
報道側のコストと広告効果の期待がマッチングした企画物ですが明らかに多くなりました。

そのような、明らかに景気が後退している状況で畜産物の消費がどのように変化していくのかとても心配です。

牛肉や鶏卵はとてもご苦労されたことと思います。

牛肉は昨年夏を境に上昇し一息ついてということありましょうが、鶏卵はそうも言えない状況でしょう。

そのような中、
慢性的な人材不足が生じているところとそうでないところがあるように見えます。

不足が生じているところは、最小限で人員を回転させて業務を進めている所で、今回の外国との往来停止等により技能実習生が来日しないというところもありましょう。

そのような農場では業務量が結果増えて、業務量と賃金バランスが崩れ退職や所在不明となるような事例があるかもしれません。
これを解決するのは、賃金バランスの改善をし業務に対する魅力を前面に出すことが大事とされます。

しかし、固定費は一度設定した場合安易に下げることが出来ないため躊躇される方も多いと思いますし、将来の畜産価格が不透明であることもあり安易に賃金競争には参加できないというのが本音ですから最低賃金を根拠とした雇用を求めるというところもあります。

残念ながら最低時給を根拠とした日本人雇用はよほど運が良くない限り応募はないのが実情です。

コロナだから、幾分か流れ着くだろうと期待される方も聞きますが、求職者は労務と賃金バランスを見ており著しく不均等な職種は慢性的な人材不足と言えます。
それは、農業、介護、建設そして畜産業があるでしょう。

その労働を埋めるに外国人技能実習制度があります。

外国人技能実習生の多くは労働し賃金を得ることを目的に来日します。
技能を取得するというのが大義名分であり賃金という言葉は禁句かもしれませんが、国会答弁のように経済交流国の来日人員の多くは技能実習生ですが、言葉を言いまわしビジネス関係者と表現しています。
ですから東南アジアや近隣国の往来を継続していたという現実もあります。(今は停止していますが)

賃金が高ければ労働を継続しますが、業務量の増加と横ばいな賃金では離れるという事例は現実あります。
技能実習生は今の勤務地以外の就労が出来ないため、過酷である場合は帰国か監理団体が再あっせんする以外方法がありません。
少数ですが、監理団体は就労先から斡旋料という費用の他、毎月1名当たりの安定収入が得られることからその勤務地とのトラブルを避けたがる傾向がごく一部ですがあります。

これにより勤務地変更は現実的でなく、結果帰国が現実となります。ですが日本に入国するまでこの方々は高額のお金を支払いこの実習をするわけですから、中途の帰国は高額のお金を返す当てがなくなり現実的ではありません。

監理側、就労先もそれを承知しており、安易な業務終了はないと考えて雇用をし維持しているところもあるとされます。

ですから、コミュニティー内で労働あっせんがあり所在不明になるという事例もあると言われます。

このように労働量と人員数にバランスを失うところは、一般的ですが技能実習生の所在不明となるところがあるとされます。

言えることは、技能実習生は日本で不法残留し労働することを目的としていません。

母国より賃金が高いため労働することを目的に来日しますから、嘘の面接によるギャップ、労働環境、賃金が原因で所在不明となるケースが最も多くなります。

近年は、所在不明が生じた事業所、監理団体への指導が強化され、場合により事業所への配置停止、監理団体への指導や団体の取消もできるようになり少しづつ目をつむっていた箇所への指摘をするようになり諸外国への批判をかわすような状況です。

逆に、人員が過剰になる事例も見る機会が増えています。

多くはコロナによる影響ではなく、規模拡大による外国人技能実習生の過剰採用が原因となる事例もあるようです。
人が多ければ作業従事が十分に対応でき良いことなのですが、問題は規模拡大したものの施設の自動化が進んでいるにもかかわらず人員を増強したという事例です。

一般的に1施設の人員は作業員と管理者又はパート労働者で十分です。

作業員は施設規模によりますが2名又は3名以上となりましょう。
それに責任者又は雑務をする時間労働の方というのが一般で、1施設には24時間交代稼働施設でない限り今の時代そんなに多くの人員を必要としません。

そこに外国人技能実習生を採用し2名又はそれ以上投入すると、単純計算で作業者4名又はそれ以上となりそれだけの作業があるのか懸念されます。

ここまで過剰となる場合の多くは無駄な作業を始める傾向があります。

一番多い例は、1名で作業できる工程が2名作業になり、作業の余り時間は雑務をするという物で雑務作業者の業務を取り上げることで勤務終了時間まで無駄に動きます。
雑務作業者には必要ない雑務作業を与え何とか1日の時給を得るという本末転倒な農場運営になります。(互いの仕事を奪い何とか1日を過ごすというものです)

これをワークシェアリングするといいますが、多くはそれを認めません。
本当に必要なのだと反論します。

しかし、昨日まで1人でできた作業が、なぜ人を採用したら2人必要になるのか。
そんな疑問に答えることが出来る人はいません。
多くの答えはもっと丁寧に出来るから良いのだ
と抽象的な答えになります。

本当に丁寧さが必要なのか?そんな疑問には触れてはいけないようなオーラを発しており始末におえない残念な人になります。

例えれば鉛筆を削り字を書くのに、削ることに意義があり丁寧さが必要といっているぐらい無意味な答えなのですが、本人はいたって本気で発言しています。

鉛筆削りで十分なのが分からないというたとえになります。

このように、無駄な採用から全体が労働力を下げて仕事をすることで、人件費だけは高く相場が高ければ吸収できるが、そうでない時期は膨大な赤字に転落しているという目も当てられない組織も散見されます。

将来を描けないことが原因ですが、ただ口をそろえるには日本人雇用が困難であり外国人技能実習生という潤沢な人材確保に目を奪われたことが最大の失敗です。

しかも後戻りが出来ないため負の連鎖へと進んでいき、いつも金策に困るという自らまいた失策ですが、相場が悪い、コロナが悪いと自身の無能さには気づかないという残念な農場もあります。

管理者も仕事がなく、報告を受ける以外は農場を散歩(巡視活動というと作業しているように言えますが)するか、PCのゲームに興じて(作業分析の間に息抜きしているというのが作業しているように言えますが)いて、上司の威厳を失います。

これを見ている作業者(部下)も上司がこれだから畜舎の裏側で喫煙したり、雑談したりと数時間かかる業務が所定時間いっぱいまでかかる作業と変化していきます。

これでは、人材はいくらいても足りない状況となりますが、こうなることが過剰な人員農場では適切な行動でもあります。

このような農場ほど、消耗品等にはうるさく、メモ用紙はコピー失敗の用紙の裏を使用する。
事務所・休憩室の電気はマメに消灯とケチな農場となります。

これは当たり前と言われそうですが、メモ用紙は失敗用紙を使用するので環境にやさしいですが、わざわざ失敗用紙を集め一定の大きさに切り揃えるまではやはり無駄です。

そんな紙1枚0.5円もしません。(500枚用紙は300円くらいですから、1枚はいくらなのでしょうか)
コピー用紙と無駄に労働している人件費の1分又は30秒の賃金どちらが高いのでしょうか。

人は1分休んでも1分後すぐは労働再開はしません。
ましてはこんな状況では10分、30分、60分、90分と何もしないとは言いませんが、農場のために費やす時間にはなりません。

なにもしていなくても、1分の賃金は発生します。

それが失敗用紙と同じ値段であるわけがありません。

ここに視点を持つ責任者や経営者は残念ながら多くはいません。

ですから、まあ何かしら作業をしているのでしょう。いいではないですか。
と本気で大変な状況に向き合うことをしません。

しかし目につく無駄な失敗用紙のコレクションをして、今は消費電力が少ないにもかかわらず室内の電気をマメに消す作業はしますが、農場のためになる作業はしていないという状況。

白熱電球であれば節電を意識しますが、今の時代そんな電球は100均以外見ること事はありません。

大事なのは、いかに労働してもらうのか。
そういう視点が大事ということです。

しかし、近年は「格安労働者あります」的な広告だけに目に留まり、特売セールのように大量採用し、作業性が低下している事実が見えない残念な農場も見る機会が増えました。

そんな中でも、堅実な農場はいかに働いてもらうのかという視点で将来を見ています。

筆者はさまざまな農場の人事担当の方と話をしてきました。
その中で大きい規模の農場ほどこの意識が高いということに気づかされました。

無駄な採用はしない、しかし将来自社にとってプラスになる人材には出来る限りの金額を提示しハントするという徹底ぶりに感心をします。

外国人技能実習生は本当に困ったときの人材確保の手段である。
そう考える経営者も大きい規模程そう考えています。

ある大規模経営者は言いました。
外国人技能実習生を採用する時、送り出し・受け入れ先団体からお客様・社長様歓迎を受ける。
それは嬉しいことだがそれだけでは飯は食えない。
本当に大事な時に採用すればよく、気持ち良いサービスを受けることが目的ではない。
嬉しいだけでは冷静な将来を見失う。

何か、心に留まる一言でもあります。

人を採用するには、なにを基準にするのか。

格安であれば日本人ではなく外国人技能実習生を採用するということになりましょう。
しかし、農場の運営、人の管理をするような人材は格安で採用できるのか。
自社で育てるような環境なのか。
ですが、人に教えることが出来る人材はどれだけいるのか。昭和の時代のように潤沢な時代では1人2人必ずそんな逸材が生まれる。そう信じている。

しかし、お金は払いたくないでは何ができるのか。

その先の答えが、この先の農場運営に大きく左右されることでしょう。
お金は大事ですがお金そのものが農場を繁栄させる行為をしません。
要はお金はその手段を獲得するツールでしかありません。

その手段を自社人材で何とかなるのか。
そうでなく、期待する人材を獲得するツールとして使うのか。

お金は無口で使い方に従います。
正しい使い方、間違った使い方に口をはさみません。
その方から静かに離れていきます。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
昨年2020年は我慢の年であったことと存じます。

畜産物の需要の減少や相場の低迷等何かと我慢をしなければならない2020年でありました。

私ども事務所も、新型コロナウイルス感染拡大により職員への感染防止の観点から活動の一部制限し皆様には大変なご不便をおかけいたしました。
なお、東京事務所は当分間お客様のご訪問は遠慮いただくこととしますので、しばらくご迷惑をおかけいたします。
問い合わせセンターの開設を進めておりますので、もうしばらくお待ちください。

そのような中、今も需要の減少のみならず、鳥インフルエンザの被害拡大もあり大変でございます。
また、早ければ8日には東京と近県に対し緊急事態宣言が発令されるとも言われ、外食向け需要の減少が大変危惧されます。
飲食店には8時には営業を終了するよう指示もあり、それに伴う人の動きが心配されます。

昨日から市場が初市を迎え、畜産物や青果物の年始からの需要状況がわかりますが、総じて昨年以下の初値になり関係者の心配もあります。
一般的にご祝儀相場とも言われ、縁起物は一般的に高くなる傾向があり経済状況を写すともいわれます。
その代表としてマグロがありますが、本年は外食向けの需要減少が影響されているとも言われ、キロ10万円と数年ぶりの減少となりました。
加熱した競りではなく、静かな取引であったそうです。

それ以外は滞留した製品が需要を上回ることから下落するわけですが、早めに滞留が解消し正常な取引が始まります。

そんな中、飲食店の更なる時短営業の影響や、休業することの需要減少も予想され、解消後の需要が弱まる可能性もあります。

12月に国の政策GO TOトラベル事業が一時的に停止し、宿泊関係者の落胆の声も聞きます。
それに付随する、飲食業、土産物等小売業に大きな影響を及ぼすとされこの先の商売予測が見通しにくい状況であり、地方経済の低迷も予測されます。

現在、多くの地方では商業が低迷しているような声もいただき、2021年は更なる需要の減少もありうるとされとても心配なところです。
消費者の心理の悪化も予測され、出費の選別化を図る可能性もあります。

不要な物に出費しないという心理が強くなる場合、価格が選定対象になることもあり高品質であっても選定対象から除外される可能性もあります。

実際のところ、GO TOトラベルの利用によりお値打ち感があることで高級旅館等施設を利用される方が多いのが実情でしょう。
ですから、高額になるのであれば利用を避けるというのは価格選定から除外されるというのはある意味自然なことでもあります。
しかし、価格が高いということは、それだけ施設の満足度が高く滞在している満足感が高いということでもあります。
食事もこだわり、日常を一時的に忘れるそんな満足度が高いサービスがあります。

しかし、価格第一であるということはそのようなサービスを受けたいがそれ以外の満足を見つけるということになり宿泊の変化も予想されます。

昨年は、畜産物のうち牛肉は一定の引き合いが夏以降ありました。
相場上昇もあり子牛の競りも活況でしたが、一部は行き先を失い家庭向けに活路を見いだす状況でした。

GO TOによる恩恵もありましたが、12月以降は事業が一時停止しており1月以降も緊急事態宣言発令が見込まれ延長される予定です。

鶏卵も最需要期12月は一定の引き合いがあり、例年に近い上昇度でありました。
しかしスタート台が低い分金額低調な相場状況で止め市となりました。
本日の初市も昨年より低い120円(東京M基準値)となりました。
一昨年は100円でしたのでそれよりは高いのですが、大変低いスタートになります。
鶏卵の3割は外食向けで消費されており、今後の宣言発令と時短営業による影響が予想され、昨年同様の家庭消費頼みになる様相です。

新型コロナウイルスの話題が2月には本格化した2020年。

今年は新年早々大変な状況であると認識させられた年で始まりました。

経済優先で解決があれば良いのですが、人が交わることでお金が動くのが経済であることから、人の交流が弱くなることは需要の低迷に拍車がかかる可能性もあります。

今後、日本政府より緊急事態宣言発令と経済支援に対する会見があることでしょう。
早く終息してほしいところですし、ワクチンの接種も開始されることの経済再生も期待されたいところです。

個人消費もしぼむ可能性もあり、日本経済そのものが成長鈍化する可能性もあります。
その影響を抑える政策を期待したいところです。

商業、消費者のマイナス心理は畜産物の消費選別化が進み、良いものから関心が薄れてしまう可能性もあります。

家庭消費がすべてではありません。

家庭では、価格の優先度があり全ての畜産物が平等に好影響を受けるわけではありません。
その結果が昨年でした。

豚は景気不景気は影響受けず、牛肉は正直影響を受けました。
その後の政策もあり一定の回復がありましたがそれが本来の姿ではありません。

金額が高いということは、価格選定に影響を受けやすい畜種にもなります。

鶏卵は、家庭消費が前年比4%程度の高い推移でした。
しかし増羽による供給過多や加工向けの需要減退もあり相場は低調でした。

今年の中頃は、餌付け羽数が昨年より減少することが見込まれ一定の生産減少が予想されます。
しかし、新型コロナウイルスによる影響が大きい場合は、需要の減少が強くなり、必ずしも相場に寄与するか不透明でもあります。

とても不透明な1月となりました。

何等か明るい話題が欲しいところですが、今は我慢をする時期になるのかもしれません。

少しでも、他の商品とは違うことを前面に出すことも考えても良いのかもしれません。
自社の畜産物が優位に立てるための方策を考え、それに向け邁進されることが未来を明るくする2021年になりそうです。

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