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2019年05月

外国人技能実習生採用に力を入れている畜産業界。大きな理由として日本人が雇用できないからという理由ですが、最近感じることがあります。

それは、日本人の採用を希望していない方が多くなりつつあるのではないかというものです。
畜産業労働者には、大きく2つに分けられるはずです。
1、労働者(指示に従う人材で、自ら考える力を必要としない人)
2、管理者(指示を与え、労働者を管理する。適材適所に処遇し成果を出すプロセスと管理に責任を有する人)
あとは、経営者(会社の方針を定め、資金の運用と管理を有する人)となるはずです。

さて、近年労働者不足が叫ばれていて労働者兼管理者を探す経営者が多い傾向が昨年まで見られていました。
しかし、最近いろいろの場で話として出るのは、管理者を雇用することを第一にして、労働者は率先して採用しないというものです。

その原因に外国人技能実習生を採用することで人数が足りるというものです。

雇用に対するコストは日本人より低く(最低時給換算では求人に対して応募はない事実)、紹介会社を通じて安定した人数を確保できる利点が浸透していることにあると感じます。

では、日本人労働者の採用に積極的にならない理由は何でしょう。

多く聞かれるのは、募集に対するレスポンスの低さ(広告等のコストの増大に見合う採用になっていない)があります。及び高コストという意見です。

労働者として採用し管理者として移行できる人材であれば初動から高い賃金でも問題ないと考えている方も多いのではないでしょうか、しかし現実採用しても管理者までなれる前に離職又は管理者としての資質の問題で永続的に作業者になってしまう問題があげられます。

また、最低賃金が上昇しており、関東近県では時給900円は最低支払う企業が多いはずです。(千葉県は最低時給895円です、茨城県は822円です)

月給ですと18万円から21万円程度(地方では16万円程度か以下の場合もあります)となり、日本人では応募がないかもしれませんが、外国人技能実習生に支払う金額としては、ほぼ同じかもう少し仲介者等に支払う等で多くなる場合もありますが、よほどの残業や休日労働等がない限りこの金額が目安になる方もいましょう。

つまり、最低時給は外国人技能実習生も同じ金額支払います。広告コストはいりません。安定した採用が可能です。言語も最低限は取得して来日します。

勤労意欲は高めです。賃金を得るためにとても熱心な作業をします。

デメリットとして、期間作業員と同じです。基本5年で条件ではそれ以上可能でしょうがほとんどの方は帰国を選びます。それは母国に帰国し自分の夢や起業等のための目的であるためが多いのです。日本に来て永住することが目的でない方が多い現実があります。

ですから、人の数はいつでも一定ですが、人材が年により変わるというぐらいで、デメリットして感じない方もいます。

なぜ、このような話をするかといいますとこの制度を活用したことで組織が歪んでいるように見える事例があるため問題提起をしてみたいと思うのです。

とある法人は外国人技能実習生の採用を開始しました。安定して入社することで労働力が充足し組織が好回転するものと思われましたが、弊害ともいえる問題が発生します。


具体例を、ライブドアブログnogutikusanの畜産ブログや、はてなブログnogutikusan`s dailyに多数記事がありますので合わせてお読みいただけますと、現状がより分かりやすいと思います。
nogutikusanで検索してご覧ください。

まず目についた問題点は、日本人管理者がいなかったというものです。

この場合、作業指示は与えられますが管理者の資質がなかったゆえそれ以外のことが出来ないのです。

最近まで同じ労働者であったのですが、管理することが分からず任命されたため組織機能に問題が現れ始めたのです。

作業は、外国人の方に移管されました。では日本人は何をするのか?という問いに対する答えが示せなかったのです。

まあ、外人さんを教えればよい。後は仕事を見つければよいとなり、いわゆる現場任せの状況です。

これにより、日本人は作業を探しますが、畜産業は作業が明確化されていることが多く、新規の作業などは事業が立ち上がらない限りほぼ皆無の状況です。

このため、作業のシェアを行ったり、無駄と言える作業を始めます。このため一見外国人、日本人双方熱心に働いているように見えるのですが、一つの作業を二人で行うことで作業効率が2倍になることはなく、せいぜい1.1倍程度のもので、お互い労働力を低くして仕事することが多くなりました。

このため、以前は1名で出来ていた作業が2名でないと完結できない等明らかに効率を下げる事例が見受けられます。

管理者として教育することはなく、これも現場任せで管理者は友人と談義に興じる姿を見るようになります。

作業性が下がりますから、意見を言う人はいません。言う場合作業効率が上がる(作業パフォーマンスのアップとなり疲労や手間と感じる)ため言わないのです。

社内風土が悪くなり、対策するための方法が見つからず数年放置してご相談を受けるというものです。

対策として、管理者の自覚していただく研修をして、管理者とは何か、何を管理するのか、自身は何の仕事を行うのか等初歩かもしれませんが、基礎を指導します。

これでも、管理するとは、命令するということだけ記憶されて実行したりと下地作成に時間がかかる人もいて苦労します。(やはり労働者の延長に意識があり、先輩後輩の関係で命令や指示を与える正しくない方法が散見されます)

管理することを教えることで、必要とする組織になるための方策を示し時間をかけて改善をしておりますが、人によりその理解度に個人差がありますので繰り返し指導する必要がありましょう。

外国人技能実習生は勤労意欲が高く、同じ労働者の日本人では、確かに厳しいかもしれません。それは近くで見ていても感じます。しかし、管理者としての教育を与えていない日本人労働者はそのまま管理者にもなれません。

それは、入社の際に社員教育をしていないこと、畜産業には教育という概念が十分普及していないことがあります。

今後、日本人の雇用は少なくなるような風土が熟成されていくように感じる畜産業。一部の方は日本人雇用を大事にされている方もいますが二極化が進んでいて、
近い将来、管理者を採用するため畜産業の20万円や25万円でなく、もっと高額という事態もありえます。管理者としての採用は一次産業基準では集まりません。ですから一般相場かそれ以上用意しなければなりません。

労務コストを削りすぎた組織に良く見られる一例かもしれませんが、架空の話でなく近未来はこのような不効率な組織も発生することを示唆しているお話です。

労働効率が薄い理由として、人間が生産をしない(家畜の良しあしが生産=収入となる)ため、人の労働効率という意識が低い方もいるかもしれません。極端な話ですが、一所懸命仕事すること、それなりの巡航速度で働くことで成果は違うかもしれないが、コストはどちらも同じで、生産主である家畜でないので問題ではないという概念です。

それで通用できれば良いのですが、畜産業の収入のあり方も変わりつつあります。今の常識が今後も通じるのか、先を見る、予見できる力が必要な時代なのかもしれません。

安い、早い、だけの目先だけの将来設計は心配と思う次第です。

24日株式会社伊藤園は「おーいお茶 緑茶」に使う原料茶葉を「GAP認証取得」した農園で生産したものを使用することになりました。(3つの認証(グローバル、アジアの各GAPと、JGAP)のうちいずれかを取得した農場が対象です)

2020年度までに同商品に採用されます。
東京オリパラの食材調達基準に採用されており、世界に通用する持続可能な農業制度に対応した商品展開をしていくのでしょう。

飲料水業界では、コカ・コーラも2020年までに清涼飲料水の原材料となる主要な農産物の供給元から100%調達することを目指す方針を公表しています。

その他、野菜からはローソンファームやリンガーハット、イトーヨーカ堂、イオンもGAP認証を推奨する取り組みをしています。

畜産物は、イオンが調達方針2020年目標で、PB(プライベートブランド)はGFSIベースの食品安全マネジメントシステム又は適正農業規範(GAP)による管理の100%実施を目指すことを公表しています。
イトーヨーカ堂では、PB「顔が見える」から肉やたまごのシリーズにGAP認証を推奨していると公表しています。

このように先行した青果物や茶は積極的にGAPを採用することを進めている状況です。畜産物は後発な制度ですが、少しづつ採用している企業が始まっています。

畜産物も、先ずは販売店が自社ブランド品に認証を進めていく流れとなり、今後他の販売店が同じような取り組みをして差別化が始まる。
青果物と同じ流れが始まっています。

消費者へのGAP認知度は大変低いのは現実ですが、消費者よりも販売店サイドがこの認証品の取り扱いを展開していますので、消費者が知らないから取り組まないという認識による販路の縮小となる可能性があるかもしれません。これが少しづつ浸透していると感じます。

はてなブログにも関連記事があります。(GAPの認知度と課題 データから見る事情 3月24日発表)nogutikusanで検索していただき、お時間があれば是非ご一緒に考えて頂ければと思います。

共通していることは、販売店の自社ブランドの付加価値向上が第一に挙げられます。GAPが求めている認証は
1、環境保全に対応している
  周辺環境への配慮と地域社会との共生をして、地球にやさしい環境に配慮した工程で生産した畜産物であること。

2、人権と福祉及び労働安全
  人権を尊重し、作業する人の労働安全に配慮した外国では当たり前の権利を尊重した生産物であること。

3、生産工程にあるリスクを管理する
  生産する工程には危害が潜んでいます。その危害を洗い出し、事故を未然に防ぐための対策を講じて安全な畜産物であること。

4、飼養衛生管理基準を遵守していること
  畜産飼養者が守らなければならない法令で、病気の発生を防止、病気を増やさない措置、病気を広げない対策を遵守した畜産物であること。

5、アニマルウェルフェアの考えを取り入れていること
  家畜の自由を大事にした規約に従い飼養した畜産物であり、外国ではこの考えが大事にされています。

アニマルウェルフェアについてもはてなブログに関連記事があります。是非nogutikusanで検索いただきご覧ください。

大手だけのことと考えていいのでしょうか。

これからくるであろう人口減少による店舗売り上げ減少と統廃合は避けて通ることはできません。実際地方部からそのような話が聞こえます。
これは都市部では縁のないことではありません。

不採算店舗の撤退は経済の原則からして不条理ではありません。売り上げがなければ廃止されるのはある意味仕方がないことです。

大手は都市部の売り上げからそのような地方部維持のため利益を回すこともあるでしょう。実際鉄道はそのような経営で地方を維持しています。

ですから、大手だけの話ではないのです。

地方の店舗がいつまでも持続できるのか。銀行がいい例でしょう。都市銀行と地方銀行と信金等地元型金融機関。どちらが経営が健全でしょうか。

地方でも独自の経営路線がなければ難しいのです。地方のチェーン店に収めているから安心かどうか。それは誰にもわかりません。

だからこそ、将来を展望する畜産家は何らかの付加価値をつけて畜産物を売りたいのです。それは大手販売店も同じです。地方の販売店は関係ないということはないのではないでしょうか。

GAP認証の動きは間違いなく進んでいきましょう。先行した青果物が良い手本になるのかもしれません。確かに将来の展開なので絶対ではありません。

しかし、大きく的外れでもないと私は思うのです。

その時考えればよいという意見もありましょう。しかし先行した会社が有利なのはある意味やむを得ません。
その時慌てて2番煎じでいいのか。それとも先行投資に踏み切る決断をされて将来有利に持っていけるのか。

もしかすると、今日この時が決断の分かれ道となっているのかもしれません。

将来が的中できるような人材がいれば将来は安泰でしょう。
しかし的確に予言できる人はいません。占いのように当たるかもしれないし、外れるのかもしれない。

そんな感じが現実で、だからこそ自社安心のため対策をしていく先駆けの人たちが有利に働く時代となるのかもしれません。

来る2020年GAP認証普及の一つの区切りになることでしょう。それ以降の2021年以降は認証の存在価値がますます高まるのでしょうか。

今回お話したいのは、最近ご相談いただく機会が多くなりました「OJT」です。
実務研修の事ですが、その方法がイマイチ効果的でないというものです。

皆さんの農場で採用されているOJTは先輩からその仕事の方法を教えてもらい、実践で学び覚えていくという流れでしょう。

なぜイマイチと言われるのか尋ねますと、最も多いのは、
「研修者が覚えていると思ったら出来ていない」
「指導者が曜日により違うことで指導方法が異なり、研修者が困惑し正しい作業が出来ない」
「1日の流れは説明はするが、朝から晩まで張り付いて研修できないため、分からなかったら聞いてねというが、聞くことがなく仕事が出来ない」
「仕事は教えるが、基礎までとなり、応用が出来ない人が多い」等いくつも挙げてきます。

私どもにご相談いただき細部を見てみますと、一番多い事例が「教えているのに覚えない又は聞くことをしない」という点です。

研修者の能力の問題という趣旨で説明されていますが、私どもから見ますと「指導方法」に改善があると感じています。

このような話をしますと、経営者(ご依頼主)さんは、明らかに顔色が変わり、怒るようなしぐさをする方もいます。

私どもは、会社組織の風土改善や社員研修をしますので、問題点があれば指摘をします。但し、やみくもに指摘するわけでなく説明をしています。しかしそれでも納得されない方もいて風土の深刻さを感じることもあります。

さて、その指導方法ですが必ずお尋ねすることがあります。

それは、
1、指導者はどのように教えていますか?
2、教え方はご存知ですか?
3、あなた(経営者)又は、あなたのお子様が教わった場合それで理解ができますか?
というものです。

では、見ていきましょう。
1、指導者はどのように教えていますか?
悩まれている会社の一番多い回答は「わからない。指導者に任せている」です。
恐らく、信頼するに足りる人物が教育を行うのでしょうが、信頼と教育能力は別物です。この乖離が大きいほど、経験では研修の効力が阻害されていて「教えてもできない新人」というレッテルをあなた自身が貼ってしまいします。

その教えてもできない新人が採用のたび聞くことになり、最近の若い者は根性がない等根拠のないレッテルを張っていることに気づきません。

畜産業は、確かに求人者の当たりはずれがあるのは事実でしょう。しかも新卒でなく中途採用者が主になるため前職が馴染めずここに来たと勘繰るのかもしれません。

実際組織に馴染まない難のある方もいましょうが、多くは前職の教え方の問題又は待遇であると私どもは見ています。そのような状況をうまく付き合うような発想がないと、人材難(はずれの多い人材難で従業員数は過剰気味)となりますし、経験でそのような会社も拝見しています。

しかしひとくくりできないはずです。
ある人はこう言いました、
「中途採用者は中古車と同じ、1台1台(一人一人)個性が違う、だから値段(月収や年収)が違う。当たりはずれがある。(組織にあうのか、否か)エンジン不調やタイヤの摩耗がある。(健康なのか腰痛持ちで業務不安なのか)酷いと水没車を掴ませる。(勤労者として難があるような人物)」
というのです。
(中古車業界の方には申し訳ありません。個人の感想です)

例えが良いかわかりませんが、採用されるときこれに近い基準で選ばれているはずです。それで合格をした(つまり中古車購入を決めた)わけです。

ですから、その指導者が「覚えが悪い、できない新人」と言われて「そうだな。その通りだ」と言えてしまうのであれば、採用が悪い(決めたあなたが悪い)ということです。

そんな状況であれば議論しようがありません。
しかし本当にそうでしょうか?
先の質問でわからないということは、教え方が悪ければ何を教えてもできないのは当たり前です。
言い換えれば「3歳児に大学院のテクノロジー工学概論を教える」ではないですが、
相応の教え方が出来なければ、できるわけがないという発想です。

しかし、信頼している人物が・・となると始末に負えません。

信頼と教育能力は別物です。

ですから、この質問に答えるためにも「教育の方法を定めて実行している。週に1回は報告を受けて進捗を確認している。教え方は育成型の指導者で十数人教えておりその後輩は農場長となるぐらいの信頼がある」といった具合です。

中古車だから悪いでは、新車を買えばよいとなりますが、新卒採用は珍しいでしょうし、離職率も高いのが現実のはずです。3年その方がいる会社は珍しいのではないでしょうか。

これも、教え方の問題が絡むことが多く、気づかない方が多いと感じています。

ですから、OJTはお金がかからず仕事を覚えるものとい考えが定着しているのでしょう。効果はあまりなく、当たりはずれで人は決まると考えてしまうのかもしれません。

2、教え方はご存知ですか?
先ほど少し触れましたが、教え方が分からず任せきりで研修指導ができるでは、よほどの指導者でなければできない芸当です。
おそらくできれば、他社からの引き合いがあってもおかしくありません。

ですから、教え方を見て「この教え方より、このように指導してほしい」「指導者のスキルを上げるため研修を受けさせ向上させる」等
人を育てることが現状良いのか経営者は判断しなければならないと思うのです。そんな時間はないということで、専門にご依頼いただくわけですが、自社でも本来は可能なのです。

それは、その指導者が指導者としてスキルがあればという条件ですが、その方はどのように研修を受けたのでしょう。という考えで振り返ってみることです。

そうすれば、上手に教えた結果が指導者となることが出来る基礎を教えて今日の指導が出来るわけですからお手本になる師匠がいるはずなのです。
しかし、年月が経ち離職ということも珍しくありません。しかし、基本を教わっているはずですから「このように教わった」「うるさい師匠だけど、このような感じで指導していた」と記憶があるはずでこれをベースに指導することも可能です。

3、あなた(経営者)又は、あなたのお子様が教わった場合それで理解ができますか?
これも、先ほど少し触れましたが「わからなければ、わからないというのは当たり前ということです」
ですから、教え方が悪ければ覚えないではなく、覚えようがない(要点がない等があるでしょう)という考えです。

しかし、上手に教えてもできないというのは現実あります。それは、その人の能力の他、人間性です。
覚えるふりして覚えない。できなければ、
「先輩から教わっていない」という答えを出す新人は要注意です。経験上このような人は何年たっても仕事はできない傾向があります。いつも他力本願で、成果は俺の物という考えがあり難ある人物です。

これは、明らかに採用ミスですが採用時見抜くのは難しいでしょう。だから適材適所に処遇するわけです。

ですから、あなた(経営者)ご自身が教わるときにわかるのか?、ご自身は分かっても未経験のお子様が分かるような説明か?一度その基準で見てみるとよくわかります。

わからない場合、分かるような指摘をする必要があります。

いかがでしょうか。研修は教える人の能力が非常に重要です。ただ教える程度であれば誰でもできますし私どものように研修を依頼されないでしょう。

ただ教える程度の業務であればそもそも教育する必要はないかもしれません。しかし、会社の大事な戦力として働いてもらいたいと真剣に考える方々は、試行錯誤し自問自答し解決策を探しています。その答えを私どものような研修会社にご相談いただくわけです。

外国人技能実習生だけで何とかなるような会社であれば目先の心配を取り除けますが、将来を担う人の教育は出だしが肝心です。

しかし、実情ご依頼をいただく機会があり良く拝見すると組織風土の問題もありますが多くは指導の方法に問題があることが多いように感じます。
そこを気付き対策することで定着する人材が生まれ、会社がより発展していくのでしょう。

最後にこれだけはお伝えさせてください。
「教える相手は1度では覚えきれません。1度で全部教えることはしない。」
これは、教育の基本です。

慣れない環境でなれることで手いっぱいの中で覚えることを覚えるのは大変です。わからなければ教えてね!では、そもそも分からないがわからないので、質問しようがありません。無理に質問させれると的外れな質問でその場しのぎの役立たない質問しか出てきません。

ですから、少しづつ確認しながら上達度を見てあげましょう。本当に必要な時質問が出てきます。その時は分かりやすく答えましょう。

このシリーズは、具体例を挙げて紹介していますので是非、nogutikusanの畜産ブログをご覧ください。そして、このブログを読み返していただけますとお考えの一助になると考えております。

農場HACCP認証への知名度はまだ高くないのが現実かもしれませんが、
導入を前向きに検討する生産農場があるのも実情です。

導入のため自社社員を指導員講習を受講して構築を進めたい会社や、指導員会場までが
遠いため自社社員での構築を戸惑う会社もあります。

コンサルティング会社も多数ありますが、指導料など費用的な問題の他、最終的にかかる費用までが不透明な理由等不安があり導入を様子見している方もいます。
特に農場HACCP認証を構築支援する会社は多くないかもしれません。長い月日がかかることで会社としても支援しにくい環境があるのかもしれません。

せっかくの導入への関心を折ることなく、導入をしたいという、その気持ちを大切にしたいと考えています。

私たちは、構築はできるだけ負担をかけず、費用が最もかかるとされる審査費用等導入までの目安をお話いたします。

このコラムをきっかけに導入へのご検討が現実化できるよう可能な限りお話いたします。

1、農場HACCP認証を取得するメリットは?
農場HACCP認証はJGAP畜産と違い、衛生管理を手順化し見える化することで農場の衛生管理が出来ていることを、第三者機関より認証してもらうシステムです。綺麗な農場で手順化した作業から生まれる畜産物は危害をできるだけ排除していることで消費者やバイヤー(販売店)に対し「畜産物の安全と安心」を示すことが出来ます。

見える化していますから、第三者に対し作業方法やその実施記録、見直し(検証)することで農場は未認証農場と違い見られているという緊張感が生まれ、衛生管理を持続します。そのため従事者も衛生管理に対し考え方を深めていきますので「法規制を守る」「危害を考え排除する方法を考える」
等自身で考え、より良い農場を目指していきます。

HACCPシステムを参考にしていることから、生産農場版HACCPということで「農場HACCP認証」というのでしょう。

JGAPと違い製品に対する認証ではないかもしれませんが、農場システムに対する認証であり、ひいては製品に対する安全を示す認証でもあるのです。

JGAP認証をされる場合、この「農場HACCP認証」の一部分を構築しなければならないことから、JGAPとも切り離すことが出来ない制度でもあるのです。

2、農場HACCP認証を構築するには?
その農場HACCP認証を構築する場合、以下のうちいずれかを選んで構築をしていくことが多いでしょう。
①自社社員を指導員講習受講させ、システムや構築方法を学び構築を開始する。(指導員がいない場合テキスト等の独自解釈で進めていく)
②コンサルティング会社に依頼し構築技法を会得し、構築を開始する。(指導されながら構築するので進めやすい)
③地方自治体へ相談し構築に関する情報や相談機関の仲介を受けて、構築を開始する。(仲介先から指導を受けて構築していく)
④テキスト等を見ながら独学で構築をする。(テキスト等は無償で配布されていますので、取り寄せることは可能ですが、どこから手を付けるか悩むところでしょう)

3、構築コストはどれくらい?
最も費用が掛からないのは④で構築初期費用は0円又は、わずかな金額です。テキストを入手し自分で構築するため第三者がいないのでこのようになるのでしょう。

次に安いのは③又は①となるでしょう。③は自治体によりますが、構築を後押ししているところが多いため自治体の支援団体や関連部署が対応するため構築指導を受けながら進めることが出来る場合もあります。しかしそのような後押しがない場合もあるかもしれません。
①は受講料は無料で年数回行われています。毎回人気があり,すぐに定員に達してしまいます。代表的な中央畜産会の指導員講習は東京で行うことが多く、近県の方には滞在費や交通費が少なく済みますが、遠方の方は大変です。地方でも開催があり「取り組み支援」もあると思います。指導員講習1日目相当の内容を学習できるはずです。学習の理解度によって構築の難度が変わるのがデメリットといえるでしょう。

費用が高くつく可能性があるのが②になります。私どもも②ですが、支援する報酬は会社によりまちまちです。1回3~6万円という会社や私どものように1時間支援につきいくらという制度、1回報酬いくらプラス構築完了後成功報酬いくらという場合もあり、それぞれの会社を調べなければならない手間がかかります。

金額を明示していないところもあり、より不安なのかもしれません。しかし、報酬を頂いてその構築ノウハウを提供しますので構築しやすいという、メリットもあります。

4、構築しやすさはどれでしょう
間違いなく②です。それは第三者の助言があること、構築ノウハウがあること、認証までの対応策を持っている等があります。報酬をいただくわけですから、ある意味当然と言われるかもしれません。

次に③かもしれません。指導者次第になりますが②と同じ考えです。①は指導員がいない場合は④と同じで相談先がないことで、せっかく出来上がった構築も審査で解釈が異なる等「不適合」と評価される可能性もあります。

5、構築から審査までどれくらいかかるのでしょう?
一番の関心事と思います。構築は農場内の作業を洗い出し、構築し、危害を分析する。システムを検証し更新する手順や、そのシステムを従業員皆さんに教育する。その仕組みは多岐に渡ります。

一般的に半年、1年又はそれ以上と長い期間がかかるのが普通です。それは、農場の作業を洗い出し文書化することで時間がかかり、その危害を分析することでさらに時間がかかります。

文書を作成すると100枚、150枚と多くなるため、パソコンスキルも必要です。(手書きも可能でしょうが大変な手間がかかるかもしれません)

法令を確認しながら作りますので作り手の意識が高いことが必須です。

出来上がり、審査依頼をして審査まで最低1.5カ月かかります。審査は1日で完了し当日に合否を示します。合格後1カ月または2カ月で認証書が交付されますので構築を18カ月とすると、審査まで2カ月プラス認証書交付までさらに2カ月となりますので、22カ月(1年10カ月程度)と試算できます。

費用を考えた場合、②の場合例えば1回3万円として1カ月に1回指導を受けたとして18カ月かかるとして54万円という試算もできます。それ以上の金額もあり得ますので各社から見積もりや金額提示を受けなければわかりません。

ですので、その手間や金額の高さから躊躇するのも頷けます。

審査料はいくらぐらいでしょうか。審査は通常2名が来社します。審査料と審査員の手間賃や宿泊費と交通費が含まれ一般的に20万円又はそれを超える場合もあります。
審査機関も多額にならないよう同じ地域の審査員を手配しますが、その状況次第で変わることも珍しいことではないのです。

先ほどの試算54万円を加算すると最低74万円からという金額が出来ます。地方自治体が国の補助事業を代行していることが多いので審査費用と指導料(コンサルタント料)について助成しているか確認して、補助されている場合は②を使用することも検討されてはいかがでしょうか。

このように、構築は独自で行う場合の大変さがあり、その手間を私どものようなコンサルティング会社がお手伝いする場合の報酬の高低があること。
それを調べるお手間をおかけするのが皆様であること。

一長一短ありますが、補助事業を活用することでハードルが下がるはずです。
是非今日のお話を参考に導入したいというお気持ちが現実化する第一歩になることを期待しております。
皆さんの会社や農場そして従業員のためのプラス成長への投資になる、この農場HACCP認証を是非構築し一緒に畜産業を盛り上げてまいりましょう。



私どもの構築方法を公開しております。コンサルティングの内部がわかるページも是非ご覧いただき構築の参考にご活用ください。

農場HACCP認証を取得されるにあたり、畜産物の製品回収一覧を掲載しておりますので、皆さんの農場危害を理解し排除するためにも必要となる認証制度であることを是非ご確認ください。(ブログをご覧ください)

愛知県発表では、16日田原市の養豚場で豚コレラを確認したと報じました。
愛知県では6例目となり、2900頭の飼養頭数です。

17日国において確認し防疫措置を講じることになり、糞処理施設が共同使用している関連農場1300頭程度の豚も疑似患畜とし、防疫措置を講じることとし、予定では4230頭程度の予定です。

瀬戸市での発生から一定期間が経過し、搬出制限区域の解除が5月12日午前0時に実施され豚コレラの発生が報告されず静かな毎日と見えましたが再度発生が確認されました。

直近の野生イノシシの豚コレラ検査結果は5月14日発表で4月20日の検体から「陽性」と判定されています。犬山市での捕獲です。

それ以外には4月12日回収分から陽性判定があり、同じく犬山市での捕獲です。

今回は田原市であり、近隣は豊橋市となるため、何らかのルート感染が予想されます。車両なのかわかりませんが、農場への持ち込み防止されますよう防衛対策をお願いしたいものです。

また、被害にあわれた皆様には心よりお見舞い申し上げます。

参考までに、岐阜県での野生イノシシの感染確認検査では、5月17日発表分では可児市、多治見市の発見検体から陽性確定しています。
豚コレラ陽性判定イノシシは410頭(検査実施1122頭)となり30%程度は陽性として判定されています。

PED(豚流行性下痢)についてもお知らせします。
千葉県では、5月に入り3件の報告があります。直近は5月17日で12頭の発症で死亡はありません。
5月では発症470頭程度で死亡は2頭となり、本年1月からは90500頭の発症で死亡は19800頭程度となります。

5月に入っても落ち着きを見せていない状況ですが、豚コレラ報道が再燃されたことはとても心配です。

今後も状況が分かり次第お届けいたします。

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