農場HACCP認証への知名度はまだ高くないのが現実かもしれませんが、
導入を前向きに検討する生産農場があるのも実情です。

導入のため自社社員を指導員講習を受講して構築を進めたい会社や、指導員会場までが
遠いため自社社員での構築を戸惑う会社もあります。

コンサルティング会社も多数ありますが、指導料など費用的な問題の他、最終的にかかる費用までが不透明な理由等不安があり導入を様子見している方もいます。
特に農場HACCP認証を構築支援する会社は多くないかもしれません。長い月日がかかることで会社としても支援しにくい環境があるのかもしれません。

せっかくの導入への関心を折ることなく、導入をしたいという、その気持ちを大切にしたいと考えています。

私たちは、構築はできるだけ負担をかけず、費用が最もかかるとされる審査費用等導入までの目安をお話いたします。

このコラムをきっかけに導入へのご検討が現実化できるよう可能な限りお話いたします。

1、農場HACCP認証を取得するメリットは?
農場HACCP認証はJGAP畜産と違い、衛生管理を手順化し見える化することで農場の衛生管理が出来ていることを、第三者機関より認証してもらうシステムです。綺麗な農場で手順化した作業から生まれる畜産物は危害をできるだけ排除していることで消費者やバイヤー(販売店)に対し「畜産物の安全と安心」を示すことが出来ます。

見える化していますから、第三者に対し作業方法やその実施記録、見直し(検証)することで農場は未認証農場と違い見られているという緊張感が生まれ、衛生管理を持続します。そのため従事者も衛生管理に対し考え方を深めていきますので「法規制を守る」「危害を考え排除する方法を考える」
等自身で考え、より良い農場を目指していきます。

HACCPシステムを参考にしていることから、生産農場版HACCPということで「農場HACCP認証」というのでしょう。

JGAPと違い製品に対する認証ではないかもしれませんが、農場システムに対する認証であり、ひいては製品に対する安全を示す認証でもあるのです。

JGAP認証をされる場合、この「農場HACCP認証」の一部分を構築しなければならないことから、JGAPとも切り離すことが出来ない制度でもあるのです。

2、農場HACCP認証を構築するには?
その農場HACCP認証を構築する場合、以下のうちいずれかを選んで構築をしていくことが多いでしょう。
①自社社員を指導員講習受講させ、システムや構築方法を学び構築を開始する。(指導員がいない場合テキスト等の独自解釈で進めていく)
②コンサルティング会社に依頼し構築技法を会得し、構築を開始する。(指導されながら構築するので進めやすい)
③地方自治体へ相談し構築に関する情報や相談機関の仲介を受けて、構築を開始する。(仲介先から指導を受けて構築していく)
④テキスト等を見ながら独学で構築をする。(テキスト等は無償で配布されていますので、取り寄せることは可能ですが、どこから手を付けるか悩むところでしょう)

3、構築コストはどれくらい?
最も費用が掛からないのは④で構築初期費用は0円又は、わずかな金額です。テキストを入手し自分で構築するため第三者がいないのでこのようになるのでしょう。

次に安いのは③又は①となるでしょう。③は自治体によりますが、構築を後押ししているところが多いため自治体の支援団体や関連部署が対応するため構築指導を受けながら進めることが出来る場合もあります。しかしそのような後押しがない場合もあるかもしれません。
①は受講料は無料で年数回行われています。毎回人気があり,すぐに定員に達してしまいます。代表的な中央畜産会の指導員講習は東京で行うことが多く、近県の方には滞在費や交通費が少なく済みますが、遠方の方は大変です。地方でも開催があり「取り組み支援」もあると思います。指導員講習1日目相当の内容を学習できるはずです。学習の理解度によって構築の難度が変わるのがデメリットといえるでしょう。

費用が高くつく可能性があるのが②になります。私どもも②ですが、支援する報酬は会社によりまちまちです。1回3~6万円という会社や私どものように1時間支援につきいくらという制度、1回報酬いくらプラス構築完了後成功報酬いくらという場合もあり、それぞれの会社を調べなければならない手間がかかります。

金額を明示していないところもあり、より不安なのかもしれません。しかし、報酬を頂いてその構築ノウハウを提供しますので構築しやすいという、メリットもあります。

4、構築しやすさはどれでしょう
間違いなく②です。それは第三者の助言があること、構築ノウハウがあること、認証までの対応策を持っている等があります。報酬をいただくわけですから、ある意味当然と言われるかもしれません。

次に③かもしれません。指導者次第になりますが②と同じ考えです。①は指導員がいない場合は④と同じで相談先がないことで、せっかく出来上がった構築も審査で解釈が異なる等「不適合」と評価される可能性もあります。

5、構築から審査までどれくらいかかるのでしょう?
一番の関心事と思います。構築は農場内の作業を洗い出し、構築し、危害を分析する。システムを検証し更新する手順や、そのシステムを従業員皆さんに教育する。その仕組みは多岐に渡ります。

一般的に半年、1年又はそれ以上と長い期間がかかるのが普通です。それは、農場の作業を洗い出し文書化することで時間がかかり、その危害を分析することでさらに時間がかかります。

文書を作成すると100枚、150枚と多くなるため、パソコンスキルも必要です。(手書きも可能でしょうが大変な手間がかかるかもしれません)

法令を確認しながら作りますので作り手の意識が高いことが必須です。

出来上がり、審査依頼をして審査まで最低1.5カ月かかります。審査は1日で完了し当日に合否を示します。合格後1カ月または2カ月で認証書が交付されますので構築を18カ月とすると、審査まで2カ月プラス認証書交付までさらに2カ月となりますので、22カ月(1年10カ月程度)と試算できます。

費用を考えた場合、②の場合例えば1回3万円として1カ月に1回指導を受けたとして18カ月かかるとして54万円という試算もできます。それ以上の金額もあり得ますので各社から見積もりや金額提示を受けなければわかりません。

ですので、その手間や金額の高さから躊躇するのも頷けます。

審査料はいくらぐらいでしょうか。審査は通常2名が来社します。審査料と審査員の手間賃や宿泊費と交通費が含まれ一般的に20万円又はそれを超える場合もあります。
審査機関も多額にならないよう同じ地域の審査員を手配しますが、その状況次第で変わることも珍しいことではないのです。

先ほどの試算54万円を加算すると最低74万円からという金額が出来ます。地方自治体が国の補助事業を代行していることが多いので審査費用と指導料(コンサルタント料)について助成しているか確認して、補助されている場合は②を使用することも検討されてはいかがでしょうか。

このように、構築は独自で行う場合の大変さがあり、その手間を私どものようなコンサルティング会社がお手伝いする場合の報酬の高低があること。
それを調べるお手間をおかけするのが皆様であること。

一長一短ありますが、補助事業を活用することでハードルが下がるはずです。
是非今日のお話を参考に導入したいというお気持ちが現実化する第一歩になることを期待しております。
皆さんの会社や農場そして従業員のためのプラス成長への投資になる、この農場HACCP認証を是非構築し一緒に畜産業を盛り上げてまいりましょう。



私どもの構築方法を公開しております。コンサルティングの内部がわかるページも是非ご覧いただき構築の参考にご活用ください。

農場HACCP認証を取得されるにあたり、畜産物の製品回収一覧を掲載しておりますので、皆さんの農場危害を理解し排除するためにも必要となる認証制度であることを是非ご確認ください。(ブログをご覧ください)